2018年7月11日、タワウ地区のブルマス・プランテーションから、子どものボルネオゾウが救出されたというニュースがmalaymailに掲載されていました。
子ゾウは7月11日の15時ごろプランテーションで発見され、専門家らによって救出されました。子ゾウは1歳未満で、発見時は憔悴しきっていたようです。現在はサバ州野生生物局のタワウの基地で保護されています。
「子ゾウが1頭のみで見つかるのは、多くの場合、種にとってよくない兆候だ。なぜなら、群れが死んだか、群れが争いに巻き込まれて子ゾウが1頭にならざるを得なかったことを示しているからだ。」と記事は述べています。
一般的に1歳未満の子ゾウが、1頭で行動することはありません。この年齢であればいつも母親と一緒に他のゾウと群れているからです。今回の例も、子ゾウの母親は亡くなっているか、何かがあった可能性があります。
今回救出された子ゾウをどの施設で保護するのか、正式には決まっていません。子ゾウのため別の群れに返すことは難しく、また他のサバ州内に3カ所あるどの保護施設も余力のある状況ではないからです。
1つの命が救われたことは喜ぶできことです。しかし、子ゾウの保護は場所と食糧、健康管理面など、様々なコストがかかります。今後保護するゾウの数が増えていった場合、どうするのか、という懸念もあります。
近年サバ州のゾウの数は減少傾向にあります。その中で、野生のボルネオゾウは1500~2000頭と言われています。今年になって16頭のボルネオゾウが亡くなったことが分かっていますが、全体の数から見ると衝撃的な数です。
施設でゾウを保護していくだけでは、限界があります。持続的ではありません。
彼らの元々のすみかである熱帯林を守ること。それこそが、根本的な解決策のように私は思います。
文責:近藤巧(インターン)