プロジェクトはりそなアジア・オセアニア財団助成金により運営されています。
日本とマレーシア・サバ州の子どもたちをオンラインで結び、「ボルネオゾウがアブラヤシプランテーションや村に被害を与えていること」「アブラヤシプランテーションは元々熱帯雨林だった場所。野生動物は生息地である森を失って困っている」「アブラヤシから採るパーム油は生産量・消費量とも世界1位の植物油であること」「パーム油は熱帯でしか生産できないが、世界中で消費されていること」を共通のプログラムで学び、ボルネオゾウと人間が共に生きられる方法を考えるワークショップを3回に渡って行いました。
パーム油生産国でありボルネオゾウと人との軋轢問題を抱えているサバ州と、消費国である日本の子どもたちが、それぞれの立場から考えたことをポスターにまとめ、世界ゾウの日の8月12日に発表しました。
第1回のワークショップは旭川市旭山動物園、市川氏動物園、サバ州の小学生が参加して開催。2回目は仙台市八木山動物公園、鹿児島市平川動物公園、サバ州の小学生で行い、3回目は豊橋総合動植物公園と福山市立動物園、サバ州の小学生の参加で行いました。
ポスターの提出者は日本から34人、サバ州からは56人となりました。
日本の子どもたちは「人間とゾウの生活するエリアを分ける」「アブラヤシを人工の島で栽培する」「熱帯以外でも栽培できるようにアブラヤシを品種改良する」「食品ロスを減らしてパーム油の消費をなるべく控える」「認証マークの付いたパーム油製品を購入する」「クラウドファンディングでゾウの施設をつくる」など、消費者目線の対策を数多く考えてくれました。
一方、サバの子どもたちからは「私たちのゾウを守ろう」「私はゾウを愛しています」「ゾウをむやみに殴ったり毒を盛ったりしない」「各地域で野生動物レンジャーを育成する」「森林開発に制限をつける」「畑を荒らされてゾウが嫌な人もいることも認識する」「アブラヤシを収穫した後はプランテーションをゾウに開放する」といった回答が寄せられました「私たちのゾウ」といった身近な動物ゆえの愛着ある表現や、問題が起きている現地ならでは対策が示されていました。
このワークショップがパーム油生産国と消費国、それぞれの立場を理解するための一助となれていたらうれしいです。
参加してくれた子どもたちのポスターはこちら。*PDFファイルが開きます