ボルネオレポート

サイチョウ保全プロジェクト報告

サントリー世界愛鳥基金の助成金を活用して行なっているサイチョウ保全プロジェクトの活動で、2019年9月23~26日に現地で巣箱を設置しました。

設置場所はボルネオ島北東部のキナバタンガン川下流のスカウ地域です。現地スタッフの事前調査の結果、ムナングール川という支流沿いにふたつの人口巣を設置することに決定しました。設置する巣箱は2つともボックス型。ひとつは入口の面に断熱材を入れるすき間を作ってある旧型の巣箱。もう一つはすき間の無い新型の巣箱です。

旧型の巣箱

新型の巣箱

サイチョウの利用を想定した巨大な巣箱

巨大な巣箱2

ツリークライミングの技術で木に登る

ひとつめの巣箱(新型)を設置する木の真下までボートで運び、断熱材を入れ流などの最終的な組み立てを行います。

完成した巣箱は重量が100kgを超えるため、人が持って木の上に運ぶことはできません。本格的なツリークライミング用の機材を使って、なんとか地上7mの設置位置まで巣箱を引っ張り上げます。取り付けた巣箱の入口を撮影するために赤外線カメラをセットし、ひとつ目の巣箱の設置は完了です。

吊り下げた巣箱を引き上げる

吊り下げた巣箱を引き上げる

ふたつめと同じムナングール川沿いのやや上流側にふたつめ(旧型)の巣箱を設置します。こちらはさらに高く、地上18mの高さまで引き上げます。巣箱を設置し終わったところで雨が降り始めたため、作業は余儀なく中断。赤外線カメラのセッティングは翌日に持ち越しとなりました。

前日に設置した2つ目の巣箱を監視するための赤外線カメラをセットし、今回の予定作業はすべて終了です。

赤外線カメラを設置して、サイチョウがどのように巣を使うか定点観測します


 
その後、今回のプロジェクトで使用した巣箱とは異なる「樽型タイプ」の巣箱設置を見学しました。

樽型タイプの巣箱は市販のプラスチック製の樽を使用したもので、原料費が安い上にとても軽いのが特徴です。ボックス型の巣箱と比べると政策と設置が容易なため、今後設置する巣箱は樽型を増やしていきたいと現地スタッフが話してくれました。

今回はテストケースとしてハシゴで届く範囲の低い位置に巣箱を設置します。サイチョウがどの高さの巣を好んで利用するかを調査し、今後の設置活動に活かします。

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