2月24日に多摩動物公園飼育展示係の清水美香氏を招き、「オランウータンのジプシーさんと故郷ボルネオのはなし」と題した講演会を行いました。
昨年亡くなった世界最長寿のボルネオオランウータン、ジプシーさんのファンを中心に会場のモンベル渋谷店5階サロンは60名ほどのたくさんの来場者で賑わいました。
第1部ではジプシーの飼育を長く続けてこられた清水さんだけが知る事実や秘蔵の映像とともに、頭が良く温和で、いつも穏やかなジプシーの素顔がたくさん紹介されました。
綺麗な色の布が好きだったこと。ケンカをするオランウータンがいると仲裁に入ること。デッキブラシや布を使った掃除が好きだったこと。飼育員さんの意図を汲み取って協力してくれたこと。他人の子どもでも自分の子のように接してくれたこと。
ジプシーは本当に誰からも愛される存在でした。
また、清水さんはジプシーの故郷ボルネオ島での環境問題にも触れられ、日本人の私たちもFSC(紙)やRSPO(パーム油)といった認証ラベルのついた商品を選ぶことで、日常生活から環境問題の解決に関わることができることを紹介してくださいました。
第2部では多摩動物公園で長く働いた経験のある石田理事長と黒鳥理事も交えて、ジプシーや動物園飼育、そしてボルネオの環境問題にまつわるさまざまなエピソードを紹介。
質疑応答でもジプシーさんへの思い出話から動物園への就職事情についてまで、時間いっぱいまで盛り上がりました。
最後に、ジプシーさんへの恩返しをしたい、とBCTJ会員の小俣さんがBCTJの緑の回廊プロジェクトのなかで「ジプシーの森を作りたい」という呼びかけをされ、多くの方が寄付金を寄せてくれました。
参加のお土産はジプシーさんのポストカードと指紋のチャーム。ジプシーさんの温かさが心に残る講演会となりました。
清水さん、ありがとうございました。