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生態調査報告会が渋谷モンベルで行われました

三井物産環境基金の助成をいただいた「ボルネオ島の低地混交フタバガキ林における中・大型哺乳動物の生態調査」の報告会が、2019年2月9日、渋谷のモンベルサロンで開催されました。

生態調査は、2017年9月から1年半、タビン保護区周辺でカメラトラップ(のべ20台)を塩場などに設置し、訪れる動物の写真を記録し分析したものです。

はじめに、坪内俊憲BCTJ特別顧問から「ボルネオではアブラヤシプランテーションために森林が減少し、野生動物の生殖地が脅かされている。調査対象のタビン保護区はめったに人も入らず、未知の場所である。今回の調査地点近くでは村人が近年スマトラサイの幼獣の足跡を目撃したという話もあり、多様な野生動物が生息していることが予想されている」など調査の背景など全体的な説明がなされました。

続いて現地に住むプロジェクトリーダーの石上淳一さんが、調査についての具体的な方法や調査機器、成果について報告しました。

「調査地点で画像で確認された動物種はは哺乳類46種、鳥類26種、その他3種で、ボルネオゾウ、マレーグマ、バンテン、センザンコウ、テングザル、ウンピョウなどのほかホースリーフモンキー、マーブルキャットなどなかなか見られない動物も映っていました。」

「カメラに近すぎていたり画面の隅にちょっと映っていただけだったりと、同定できない動物もありました。カメラトラップは野外調査でよく使われる機種を使いましたが、熱帯雨林の湿気やアリによって故障することもあり、データが回収できないことも多かったです。」

「調査を通じて村の若手の人材育成も考えていましたが、森に慣れていないと調査地にまで行くことも難しいし、機材を扱うのも大変で、調査はベテランに頼ってしまう面もありました」と苛酷な環境での調査を淡々と話されました。

後半ではスペシャルゲストとして写真家の柏倉陽介さん、ジャーナリストの桐島瞬さんが登場され、調査に同行したときのお話をされました。その後、「スマトラサイは今どういう状況なのか」「熱帯雨林で迷子にならないのか」などたくさんの質問がでました。

凍てつくような寒い日でしたが、会場は熱気であふれ、約30名が熱心に耳を傾けていました。

今回の調査に基づく生態調査報告書はこちらからダウンロード可能(PDFファイル)です。

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