認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンは、緑の回廊プロジェクトのための土地として、キナバタンガン川流域に7.988ヘクタールの熱帯雨林を今回獲得しました。
昨年夏から獲得に向けて現地との連絡と事務作業を進めていたところにコロナ禍が直撃。キナバタンガン川が流れるサバ州も感染者数が増加し、政府による移動制限が発令されました。これによって現地事務局スタッフの仕事にも大きな支障がでました。
さいわい、現地スタッフが頑張ってくれたおかげで仕事が完全にとまってしまうことはなく、無事に証明書が発行されました。
今回の獲得地は4区画。キナバタンガン川河岸と少し離れた保護区をつなぐ重要な場所であり、合計で7.988ヘクタール(1ヘクタールは100m x 100m)という大きな面積になります。株式会社生活の木様およびサラヤ株式会社様からのご支援による「生活の木の森2」および「サラヤの森9」を、また個人会員の方のお声がけにより多摩動物公園の人気者だったオランウータン、ジプシーさんの名前を冠した「ジプシーの森」、そしてみなさまからのご支援金で獲得した「バンテンの森」です。獲得地は 緑の回廊プロジェクトのWebページでご確認いただけます。
獲得場所はキナバタンガン川中流、ビリット地区です。周辺には集落も点在し、付近の熱帯雨林は村民による開発がじわじわと進んでおり(これ自体は集落の住民が「自分の土地を自分のために使っている」ということで非難するものではありません)、何もしないままではさらに開発が進み、川と保護区が完全に分断されてしまう可能性もあります。プランテーションと隣接する場所ではありますが、保護の必要があるという現地の情報をもとに判断し、今回の獲得に至りました。
みなさまからのご支援で獲得した森には毎回「ボルネオゾウの森」「オランウータンの森」のように、ボルネオの森に住む動物たちの名前をつけています。今年が丑年ということもあり、ボルネオでもなかなか野生では見ることがなくなってしまった野生牛「バンテン」の名前をつけさせていただきました。
現地の移動制限はまだ続いており新規土地獲得のための調査がなかなか進まない状況ですが、コロナ禍が収まったらすぐにまた新規土地の獲得に向けて動き始める予定です。
引き続き、ご支援・ご協力を宜しくお願いいたします。
BCTJでは緑の回廊プロジェクトのほか、さまざまなボルネオでの生物多様性保全、自然環境保護活動を行っています。ぜひ会員やサポーター、ご寄付でご支援をお願いします! ご支援はこちらから > 入会する・寄付する